2020.07.13New
動態管理とは?動態管理システムのメリット・ポイントについて知ろう
はじめに
事業用の車両を管理する社員の方は、動態管理という言葉を聞いたことがありますよね。この記事では、動態管理を導入することでどのようなメリットがあるのか、企業・ドライバー両方の立場からご説明します。また、動態管理機能付きの車両管理システムの選び方や導入後の運用ポイントについてもご紹介いたします。 車両管理システムの活用にお役立ていただければと思います。
1.動態管理とは
動態管理とは、車両やドライバーの位置情報をリアルタイムに把握し、記録して管理することを表します。そして、動態管理の機能を上手く活用することは、業務効率化にもつながります。具体的には、リアルタイムにドライバーの位置を確認できることで、事務所に待機する管理者とドライバー間のコミュニケーションを助け、電話回数・時間を削減することができます。また、GPS機能を中心に他の技術を組み合わせることで、位置に加え時間や車両の状態等の情報を一元管理することも可能です。
「動態管理」と「運行管理」の違いにも注目してみましょう。管理者は、ドライバーが交通事故を起こすことなく安全運転を励行できるように勤務状況や健康状態を観察・管理されています。特に運送事業者や旅客事業者においては、日々、運行管理者は業務前の点呼や、安全運転への意識を高めるためのドライバーに指導を行っています。「運行管理」に加え、業務効率化を目指すツールの1つが「動態管理」といえるでしょう。
2.動態管理する企業側のメリット
動態管理を導入すると、企業側はどのようなメリットを得るのでしょうか。作業効率化と生産性の向上についてご紹介します。
2-1. 動態管理は全ての車両の現在位置情報の可視化が行えます
動態管理は、全ての車両の現在位置情報を一覧にして可視化することができます。これにより、配送や集荷作業の効率化に役立ちます。まず、地図上のエリアを指定して付近の車両を検索できるという機能に注目してみましょう。急なクライアントからの対応依頼があった場合にも、現場に近い車両を特定して派遣すれば早急に希望に応えられます。また、現在の位置情報及びそれまでの運行経路情報はドライバーに問い合わせなくて済むのが便利ですよね。事務所の管理者が判断することで、迅速に指示を行えます。クライアントからの問い合わせがあった場合、遅れなどの状況や何時頃到着するかなどの具体的な対応を行うことにも役立ちます。決められたルートとリアルタイムの位置情報等を確認し、状況によっては、ドライバーに適切な指示を行えます。いち早く問題を察知し解決のために指示が行えることは効率よく業務を行えると共に、クライアントへの信頼に繋げることも期待できます。
特に多くの車両を所有している企業では、動態管理を使うことで車両管理をより円滑に行えます。それぞれの事業所が個々の管理体制で車両を管理していると、企業全体として車両を統括管理するのは難しいですよね。車両管理システムと共に動態管理も導入いただきますと、クラウド上でデータを一元管理できるため、必要な場所に必要な車両を配置することに寄与します。特定の事業所に業務が集中する事態が起きた際には周囲の事業所を含めての対応ができるでしょう。
2-2. 全社最適の視点で車両配置を行えます
これまでに記録・蓄積された位置情報等により、営業や配送などのエリアの重複を可視化することで全社最適の視点で車両配置を行えます。最適な車両配置とルート設定が行えると目的地までの運行時間を短縮でき、多くの目的地を回ることができます。車両一台あたりのパフォーマンスを向上することで増車せずに上増を図ることも期待できます。また、記録・蓄積された位置情報データの活用により、目的地への最適なルートを検討することで燃料消費の削減にも繋がります。このように、動態管理を導入により、全社最適の視点で車両配置の最適化、経費削減等により生産性の向上が期待できると考えています。
2-3. 自然災害発生時への備え(BCP対策)
動態管理は万一の場合も従業員(ドライバー)に対しての迅速に支援を行うための情報把握のツールとなります。近年では毎年のように全国各地で発生する自然災害が発生しています。このような自然災害が発生した際には、各車両の位置情報等を速やかに確認できることで、天候の急変や道路等のインフラ寸断など有事発生時に対象となる従業員(ドライバー)に連絡し、身の安全を守れるよう対応するための一助になることも、副次的な効果としてあげられます。
3.動態管理システムの選び方
さまざまな動態管理システムがあります。システムを選ぶときの注意点をご説明します。
3-1.管理方法や費用
動態管理専用器の他には、デジタルタコグラフやドライブレコーダー用にオプション設定されている場合はサービスを追加する方法もあります。通信型でない場合は、追加ライセンスに加え、通信タイプへの機器変更等が必要かどうかなどご利用にあたり費用や条件を確認してください。
ほかには、スマホやタブレットで管理する方法も。アプリをインストールするだけで簡単に導入が可能です。業務用で利用されているスマホにアプリを導入する共用利用することでコストメリットはある一方で、GPS情報が安定的に取得でき、またスマホバッテリ部が高温化しないように取付け位置に注意が必要となります。 日常的にご利用される業務用途においては、性能、耐久性の点においても車載器タイプのサービスのご利用をお勧めします。
3-2.機能
どのような機能を選ぶかは、導入目的によって変わります。車両位置確認のみご希望する場合、動態管理専用器を導入するのは1つの選択肢。しかしながら、社用車管理をご担当される方にとっては、事故削減・安全管理も重要な課題ではないでしょうか?動態管理専用器を導入する際、ヒヤリハットの可視化や万一の事故や事件発生時の記録確認に備えるためには、別途ドライブレコーダーを用意する必要があります。事故削減・安全管理及び車両位置確認等多数な車両管理の解決を図りたいとお考えの管理者の方には、事故削減・安全管理に必要となる運行情報、ヒヤリハット情報の可視化機能と共に必要車載器単位にオプション追加できる動態管理機能が用意されている通信型車両管理システムがお勧めです。
4.各業界において、無事故DRプログラムの動態管理機能追加のメリット
動態管理は様々な業種にとって、求めるポイントが異なります。様々な業界にある無事故DRプログラムのユーザーに、動態管理オプションサービスの導入で感じられたメリットをヒアリングいたしました。運送事業事業者以外の企業における動態管理の活用メリットについてご紹介します。
動態管理というと、運送事業をされている企業が利用するものと考える方もいるかもしれませんね。確かに、運行時間が長く集荷・着荷状況を可視化したい企業には動態管理は非常に有効です。一方で運送事業以外の企業でも営業やメンテナンス活動に車両を多く活用される中で動態管理の機能をご利用いただいています。
4-1.製薬業界
例えば、製薬業界の営業件数は、1日に約4~5件。取引相手は医療機関・調剤薬局、医薬品卸業など医薬品を扱う施設で、商品やサンプル、カタログなどを持って車で移動することが多いとお聞きしています。直行直帰もあるため、運転時間そのものは短くても、1日の運転開始から終了までの運行時間は長くなりがちです。 最近は運転経験が少ない状態で、入社後に初めて本格的な運転をするという方も少なくありません。運転に不慣れなドライバーが安全運転を身に着けられるよう見守るために可視化し声がけしながら経験を積むことで、運転スキル育成にも役立つでしょう。
4-2.不動産・住宅・エネルギー業界
不動産・住宅・エネルギーなどインフラ関連のように多くの拠点を有する業界の場合は、車両データの統括的な視点での管理が求められます。特定の車両が一定期間内にどこを走行していたか、特定の拠点に所属する車両が一定の期間内に停止した場所等を分析することで、配送や営業・メンテナンスのエリアの見直しに活用できます。拠点間の連携強化や配送、営業、メンテナンスにわたる活動全体の効率化は働き方改革にも繋ります。
おわりに
動態管理についての理解は深まりましたでしょうか。車両管理の担当者にとっては従業員、企業、地域や社会の安全を守るための事故削減・安全管理や、車両利用における業務全般の効率化は重要な課題ではないでしょうか。
まだ先の見えないアフターコロナ時代に向かって、従来の働き方への変化を余儀なくされる中、より一層、業務の可視化を図るためのサービス拡充に努め、皆さまと共に社会のお役に立てる環境づくりに貢献して参りたいと考えています。
よくあるご質問
- Q1. 動態管理機能を追加したい、費用や手続きについて問い合わせたい。
- 販売店または担当営業までお問い合わせください。
- Q2.一台でも契約できますか?
- 1台からご契約いただけます。
- Q3.支店が全国にあるのですが、特定の地域でしかドライブレコ―ダーを設置していただけないのでしょうか?
- 全国どこでもご対応いたします。
- Q4.初期費用・設定費用はどのくらいかかりますか?
-
車載器がレンタル式で提供致しますため、機器代費用はゼロ円です。
車載器の設置作業、PCツールのセットアップはお客さまに実施していただくため初期費用は掛かりません。
各作業は、ご契約後にログイン可能となるWeb上にマニュアルを公開しております。
なお、車載器の設置作業については、当社提携の設置業者を紹介することが可能です。
詳しくは、当社担当営業もしくは販売店へお問い合わせください。 - Q5.無事故プログラムDRの強みは何ですか?
- 危険運転通知やデータに基づく安全運転指導により、ドライバーの安全運転意識を向上できる点です。
すでに導入企業は1200社に上り、事故件数を75%減少させた企業もあります。
また、弊社が実施したユーザーアンケートによると、
86%の導入企業が無事故プログラムDRの導入により「ドライバーの運転意識の向上」を実現できました。