はじめに

車両管理者の皆様にとって、ドライバーへの安全運転指導は、数あるお悩みのうちの1つではないでしょうか？

「どうすれば全体の意識を安全運転に向けていけるか」、「どうすれば事故の削減につなげられるのか」、より効果的なものは何かを考えて施策を打ち、日々、試行錯誤を繰り替えしながらご対応されているのではないかと思います。

そこで、無事故プログラムDRチームでは、積極的にご活用いただいている2社のユーザ様にご協力いただき、安全運転指導の取り組みについてヒヤリングをさせていただきました。

内容をご紹介したいと思います！

１． 尾家産業株式会社様

「運転改善に向けた具体的アドバイスで、事故件数30％減、保険料も大幅削減！」

（2013年度比）

【取り組み】

・社長による「安全宣言」。社員を守るための取り組みだという ことを周知。

・ドライバー評点ランキングを月に5回まとめて資料を作成/社内 で配信する。

　⇒評点80点以上を合格ラインとし、下回った者には具体的なアドバイスを記載。
　（例：「急ブレーキ」がxx時間yy秒発生しなければ80点以上になります。」）

・役員会にて各事業所の安全運転の取り組みを共有。

２． 株式会社　光生舎様

「現場主体で運転改善ができる環境づくりにより、物損事故件数を42％削減！

（2020年度比）

【取り組み】

・現場で実務を始める前に、社内で安全運転講習を実施。

　新人に対しては、教習所で実施される「冬道講習」を受講するなど、

　“地域ならでは”の指導も取り入れている。

・営業所単位(10-15人ほど)でチームを編成。

　チーム毎に点数つけ、10点以上となったチームに対して安全運転講習を実施。

　(人身事故：5点、物損事故：3点、危険運転/速度超過/ながら運転：1点)

　⇒講習では、「なぜ10点溜まったか」「次10点溜めないためにどうするか」をディス

　 カッションし、決定した取り組みを現場で実践するよう指導している

・個人への注意喚起ではなく、営業所といった現場単位での取り組みの実践、声

　掛けにシフトしたことで、より効果的な安全運転指導を実現可能にした。

・今後は現場での取り組み強化のため、安全運転委員を現場に一人配置する形に。

　無事故プログラムDRの管理サイトを委員に公開し、現場主体の管理を目指す。

おわりに

いかがでしたでしょうか？
今回お伺いした2社のユーザ様は、ドライブレコーダーで収集したデータをドライバーに共有し、ドライバーが自身の運転をしっかり振り返る場を作り、ツールを使ってコミュニケーションをとることで、効果的に意識の改善を図っていらっしゃいました。特に実際にドライバーが所属する職場単位で運転の改善に向けて動くような取り組みができるようになると、全社的な危険運転回数の削減を経て、事故件数の削減にも非常に効果があるということが分かりました。

簡単ではありませんが、少しでもドライバーの意識を変えようとする努力が重要な鍵であることが分かります。今回ご紹介したユーザ様のように、トップの支援・理解のもと、事故の件数や質などの部分で、事実に基づくデータを開示、フィードバックし愛情を以て見守るご指導がドライバーの意識を高めることに非常に効果的であることが見えてきました！ 今回のコラムが皆様の安全運転指導の施策検討の一助となれば幸いです。

事例詳細は以下よりご覧いただけます。皆さまの安全運転指導にお役立てください。